個別株投資で外せない、必ず確認すべきポイント

私は投資銘柄を決める際、業界の動向(市場規模や競合他社に関する情報)や各種指標(PER・PBR・ROE・営業利益率・配当性向・自己資本比率など)を必ずチェックしています。これらのデータから読み取れることはたくさんあり、投資をするべきか否かの判断をするための重要な材料となります。しかし私にとって、これらのデータと同じくらい、時にはそれ以上に重要視していることがあります。それは実際に製品やサービスを利用してみて感じたことです。少し抽象的な内容になりますが、私の実例も含めて書いていますので、ぜひご一読いただければ嬉しいです。
自分が夢中になっていることからヒントを得る
私は投資銘柄を探すときに、自分や親しい人が最近熱中していることを手がかかりにします。あくまで感覚ですが、データ分析を入り口とした投資よりも、自分が夢中になっている物事からヒントを得て始める投資の方が、うまくいことが多いです。
事例1:ヤクルト本社への投資
一つの例として私がヤクルト本社に投資した際の事例を紹介します。私はヤクルト1000(Y1000含む)を毎日欠かさず飲んでいるのですが、発売当初はとんでもない人気で、スーパーはおろか駅改札内の自動販売機でも売り切れという状態でした。ヤクルトの公式ホームページに行っても、新規会員登録の受付を停止しており、手に入れるのが本当に大変でした。しばらく人気はうなぎのぼりで、フリマアプリで定価より高く出品されていた時期もあり、私は朝一でスーパーに行って品出し直後のヤクルト1000をハイエナのように狙っていました・・・。。そんな状況に半ばうんざりしつつも、これほどの旺盛な需要に対して、ヤクルト本社の生産が追い付くことができれば、かなりの好業績につながるのではと考えました。当時は株式投資の経験も浅かったため、冒頭で挙げたようなデータに関するリサーチはほとんどせずに直感的に株を買いました。するとしばらくして、ヤクルト本社は生産能力を増強し、次第にヤクルト1000はスーパーでも手に入るようになりました。毎日ゾンビのようにヤクルト1000を求め彷徨っていた私も晴れてヤクルト会員となり、ヤクルトレディさんが毎週届けてくれるようになりました。当然ヤクルト本社の業績も向上し、投資も大成功。私が株を購入してから1年も足たないうちに株価は+50%にもなり、大きな利益を得ることができました。
事例2:オープンワークへの投資
他にも、転職活動をしたときに利用したオープンワークというサービスについても同じような経験があります。”口コミ転職 オープンワーク”というキャッチフレーズで最近知名度があがっている、転職支援事業を展開している会社です。オープンワークは独自のWebサイトで、社員/元社員から収集した年収/待遇や、職場環境に関する評価/レビュー/コメントなどを共有しています。気になる企業があれば、会員登録をしていくつかの条件を満たすことで、気になる企業について内情を知っている人の投稿を見ることができます。私が転職活動をした際にも活用したのですが、ここまでリアルな内部事情を知ることは普通の転職活動では難しいです。親切な会社であれば、入社前に社員訪問ができたりしますが、話を聞けるのはせいぜい一人や二人、しかも人事同席などの条件付きということが多いのではないでしょうか。オープンワークを活用すれば、たくさんの口コミ情報からリアルな内情をうかがい知ることができます。転職支援事業を行う企業は沢山ありますが、オープンワークはユニークで、かつ転職志望者にとって非常に価値のあるサービスを提供していると思います。自らの転職活動を経てこのような実感を得たことから、データを分析したうえでオープンワークの株を購入しました。こちらは運よく購入後すぐの決算説明会で自社株買いのニュースもあったことから、ストップ高となり現在約+40%程度の含み益となっています。
まとめ
事業の本質は他社貢献。どんなに経営が上手でも、製品やサービスが社会の役立つものでなければ、長く成功し続けることはできないはずです。正直に言って、製品やサービスを試すのは時に面倒臭いことでもあります・・・。データ分析はPCの前に座ってキーボードをたたけばできるので、それで完結させる方がはるかに楽です。ですが、製品やサービスを使ってみてなにを感じるかは、企業の本質的な価値を見出すために必要不可欠なステップなのだと考えています。