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株式投資

DeepSeekショックで浮彫り、米経済の危うさ

kiyosaly

先日中国の低コスト生成AI”DeepSeek”の登場によりナスダックが大幅下落しました。米株式市場の成長をけん引してきたエヌビディアの株価はたった一日で約16%も下落、損失額は約92兆円と米史上最大の下落を記録したそうです。DeepSeekショックとも呼ばれている株価の急落があった今、私は昨年末から現金のポジションを増やしています。あくまで個人的な見解ですが、現在の米株式市場には過熱感を感じており、そう遠くないうちに調整が訪れるのではと考えているためです。本記事では、私がそう考えている理由について、書いていきたいと思います。

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絶好調の米株式市場

以下はS&P500の推移です(出典:TradingView)。赤枠で囲った部分を見てわかる通り、2008年のリーマンショックから立ち直って以降、米株式市場はうなぎのぼりです。途中コロナなどで一時的な下落を経験している場面もありますが、すぐに回復して力強い成長を続けています。私自身も米インデックスファンドを持っており、大きな恩恵にあずかっていますが、最近の米株式市場には、様々な側面から強い過熱感を感じています。続く本文にて、私が過熱感を感じる様々なデータや経験則について書いていきたいと思いますが、誤解を招かないよう強調しておきたいのは、20-30年を前提とする長期投資において、市場の調整というのはそこまで心配する必要はないと思っています(出口戦略にかかわる場合は除く)。私の場合は資産のうち長期投資(インデックスファンド・大型株・ビットコインなど)に充てている大部分のほか、短期投資(小型株・ビットコイン以外の仮想通貨など)に充てている部分があり、短期投資分についてはある程度ポジションを整理しておく必要があると考えていて、現金を少々増やす動きをしています。個々人の投資スタイルによって状況は全く異なると思いますので、本記事の内容はあくまで、きよさりが”2032年までに1億円”という少々無謀な目標に向かってもがいている中での思考であることをご理解くださいm(__)m

米経済の過熱感を示す指標/経験則

1)S&P500構成銘柄 指標に勝ってるのはたったの30%

ここ数年絶好調のS&P500ですが、実は構成銘柄のうち約30%しか指標に勝てていません。以下のグラフは、S&P500構成銘柄のうち、S&P500平均のパフォーマンスに勝っている銘柄の割合を示しています。2024年は31%と約25年以来の低水準で、けん引しているのはエヌビディアをはじめとする一部の巨大テック企業です。つまり、これらの巨大テックが柱となって近年の米経済を急成長させてきたのです。そんな時に現れた中国の低コスト生成AIがもたらしたDeepSeekショック。もしも大黒柱が折れてしまったとしたら、このグラフはどんな見え方に変わるのでしょうか・・・。また、これまでで現在の水準に近いのは、ドットコムバブル崩壊のあった1990年代後半です。ドットコムバブルでは一部のIT関連銘柄が投機熱を集めバブル崩壊を招き、ピークから底値まで約40%の下落を経験しました。AIによるイノベーションで半導体やテック銘柄に投機熱が集まっている現在の株式市場は、当時と似た状況にも思えてしまいます。

2)バフェット指数

バフェット指数は、株価が割高か割安かを判断するための指標です。世界一の投資家といわれるウォーレン・バフェットさんの名を冠したこの指数は、国の株式市場の時価総額÷GDPで算出され、数字が高ければ高いほど株価が割高、その逆は割安と判断されます。要するに、その国の実体経済(=GDP)の強さと、株式市場につけられている評価額を比べているものです。実体経済は成長し続けているのに、株式市場が全く伸びていないとしたら、違和感がありますよね。この場合、株式市場は投資家に過小評価されており、この先実体経済の伸びに合わせて適正な時価総額に伸びていくはずです。以下は米国のバフェット指数の推移を現したグラフですが(出典:TradingView)、現在のバフェット指数は180。ドットコムバブルの時、バフェット指数は大体140くらいなので、これを大幅に上回る歴史的な割高水準となっています。実際この指数の生みの親であるバフェットさんも、株式の割高感を警戒し債券投資へとシフトされています。

3)靴磨きの少年理論

”靴磨きの少年まで株の話をするようになったら、市場から手を引いたほうがいい”。靴磨きの少年理論とは、市場の過熱感を図る理論として知られています。要するに、”これまで無関心だった人までもが投資の話をするようになったら危険だよ”という意味です。アメリカの投資家ジョセフ・P・ケネディさん(ジョン・F・ケネディ元米大統領の父)が、ある日ウォール街で靴磨きの少年に靴を磨いてもらった際に、その少年が株について話していたことから市場の過熱感を察知し、1929年の大恐慌前に株を売り払ったというエピソードに由来するそうです。私の身の回りでも同じようなことが起きています。ある知人は投資にはまったく興味がなく、私が新NISAの話をするとあくびをしてしまうような人だったのですが、最近になって米国個別株投資にのめりこんでいます。この友人は最近運よくトランプラリーに乗って利益が出たため、強気の姿勢で様々な銘柄への投資を続けています。本人と話していて驚いたのは、今はとにかく株を買えば儲かるものと盲信しており、投資している企業については全く理解していないのです。この他にも、SNSやYouTubeを見ると、AIブームにあやかろうと投機熱を帯びた個人投資家の投稿を簡単に見つけることができます。また、機関投資家もFANG+のような流行りの銘柄を組みいれたファンドを次々に生み出し、AIブームに乗り遅れた個人投資家を煽っているように見えてしまいます・・・。

まとめ

”我々は大恐慌に向かっている。こんなことを言ったのは初めてだ。唯一の問題は、それがバイデンの任期中に起きるか、私の任期中に起きるのかだ。” これは2023年9月サウスダコタ州の遊説先でのトランプさんの発言です。絶好調のアメリカ経済ですが、実態はパンパンに膨らんだ破裂寸前の風船のような状態だと、私は思っています。もしも今後インフレが再燃すれば、市場に大きな調整が訪れることは間違いありません。実際トランプさんのエネルギー政策や、思っていたよりも関税引き上げに慎重な姿勢、対外援助や国内の各種補助金の一時凍結など、インフレに対する危機感を感じるようなニュースが多々あります。私たち個人にとって大切なのは、この不確実性が自分のライフプランにどのような影響を与えるのかよく考えて行動に移すこと。ゴールへの道から外れないように自分なりに考え、行動していきたいと思います。もしも失敗したとしても、きっとたくさんの学びがそこにはあると思っています。

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ABOUT ME
きよさり
きよさり
会社員 / 駆け出しブロガー
経済的自由を目指す難病サラリーマンきよさりです!2032年までに資産1億円を目指しています。潰瘍性大腸炎という難病で、日々の活動や食生活に制限があります。いつ働けなくなるかわからない、そんな不安から経済的自由を目指すようになりました。仕事/お金/勉強などをテーマに書いていますので、ご参考になれば嬉しいです!
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