XRP現物ETF ブラジルで承認

今回は最近のニュースの中で私が気になったものを取り上げて紹介していく注目ニュースシリーズです。本記事で取り上げるのはXRP現物ETFが世界で初めて、ブラジルで承認されたというニュースです。ニュースの概要から、私の考察まで書いてみましたので、参考にしていただけたら嬉しいです。
ブラジルでXRP現物ETFローンチへ
ニュース概要
- 世界初のXRP現物ETFが、ブラジルの証券取引委員会によって承認された
- このファンドは現在プレ運用段階
- 近日中に追加情報が公開される予定
考察
このニュースが与えうる影響として、アメリカのXRP現物ETFのローンチを早める可能性があると考えています。現在アメリカでは、グレイスケールのXRP現物ETFの承認期限が10月18日とされています。トランプ大統領はアメリカを仮想通貨の首都にすると公言していますので、このニュースを受けてよりスピーディにプロセスが進んでいく可能性があります。
やったね!
ビットコインもETFローンチで価格あがったし、XRPもあがるかも!

まろんくんは興奮してますが、私個人の見解としては、アメリカでXRP現物ETFが登場しても、それ自体が継続的に価格を押し上げることにはつながらないと思っています。ビットコインの場合は、インフレ耐性のある新たな投資先という金融資産としての価値や、仮想通貨で最も知名度の高い銘柄であることが奏功し、ETFローンチ初年度から巨額の資金流入がありました。またこれに加えて、供給面での制約である半減期が重なったこともあり、ビットコインの価格を大きく押し上げることになりました。一方でXRPは、ビットコインほどの知名度はなく、その価値が投資家に広く理解されているわけでもありません。確かに、ETF誕生によって投資家の参入障壁を下げてくれることは紛れもない事実です。取引所のアカウントや、ウォレットを持たない人でも、証券口座があればだれでも投資することができるようになります。しかし、いくら投資する環境が整っても、そのもの自体の知名度が低かったり、価値が理解されていなければ、買う人は少ないはずです。例えば、日本の株式投資家にとってNISAはとてもいい制度ですよね。でももしも、NISAで購入できるファンドが、すべて無名のアクティブファンドばかりだったら、今ほど浸透していたでしょうか?答えはノーだと思います。そして残念ながら、まだ知名度という観点では、XRPはビットコインには遠く及びません。いくら枠組みがよくても、中身に価値がありそれが投資家に理解されない限りは、資金は流れていかないはずです。
参考までに、イーサリアムとビットコインの現物ETFについて調べてみました。まずはイーサリアムの現物ETFです。以下のグラフはCoinMarketCapから引用した、イーサリアム現物ETFへの資金の流入/出状況を示すグラフです。赤く囲った11月ごろに盛り上がりを見せてからはぱっとせず、数えてみたところ全31週のうち約半分の15週は純流出になっています。赤く囲った部分は、トランプさんが大統領選に当選したことで仮想通貨市場への注目が高まったことによる資金の流入です。残念ながらそれ以降は資金の流れも落ち着いており、イーサリアムの価格も下落基調にあります。

次にビットコインの現物ETFです(同じくCoinMarketCapから引用)。こちらは全58週のうち純流出は約3割の18週で、イーサリアムよりもパフォーマンスがよいことがわかります。グラフを見ても、イーサリアムと比べる波がなだらかなのがわかります。

これらのデータも踏まえて、XRPの現物ETFがビットコインのように多額の資金を集められるかというと、難しいのではないかと思っています。仮想通貨で市場規模2位のイーサリアムでこの状況ですから、さらに知名度の低い今のXRPはより苦戦することになるかも・・・というのが個人的な見解です。
まとめ
ここまでXRPの現物ETFについて、少し悲観的な意見を書いてきましたが、長い目で見てこのニュースが好材料であることは間違いありません。最近はこの他にも、トランプ大統領が自身のSNSアカウントで、XRPに関するCoinDeskの記事をシェアしたり、XRPに関する好材料が続いています。ゲンスラーさんがSECのトップを退いてから、これまで信じられないほど厳しかった仮想通貨業界への締め付けも、明らかに緩和されています。こういった追い風を受けて、XRPが社会やビジネスでの実装が進み、価値が広く理解されることによって、将来ローンチされるETFへお金が流れ、XRPの価格が上昇してくれるといいなと思っています。